フィットが売れない理由?
オンラインメディアWEB CARTOP誌に
「カタログで比べたら互角にしか見えない! それでもガチライバルに惨敗する3モデルの敗因とは」
という記事があって、そのライバルの一つとしてホンダ フィットとトヨタ ヤリスが出てきた。
そうかー、記事を書いてる評論家センセイにはこの2台が互角に見えるのね。ふーん。差は歴然なのに。
言わずと知れたことだが、ヤリスなどに比べるとフィットは売れてない。2年以上前から「なんでフィットが売れないのかわからない」的な記事が何度も出てきて、評論家センセイ方は「デザインのせいか」「同じホンダの軽、N-BOXが優秀すぎて客を取られてるのでは?」などとトンチンカンなことを言ってきた。
N-BOXとの競合説は、フィットだけでなく他のコンパクトカーも売れてないなら分かるが、売れないのはフィットだけなのだから説明になってない。言う前に気がつけよ。
デザイン原因説はどうか。デザインは感覚的なものだから、大規模なアンケートでも取らない限り肯定も否定も難しいので逃げ込むにはちょうど良い言い訳だが、今の状況を説明できるほどに本当に酷いデザインか? ホンダはそう思ってないようで、去年10月のマイナーチェンジではその点の変更はなかった。
まあ、評論家のセンセイ方は好きに言っててください。私は同意しないけど。
さて、その同じマイナーチェンジでは、以前はオプションでも付けられなかったマルチビューカメラシステムや、ブラインドスポットインフォメーションが、グレードによっては選択できるようになっていた。それに気がついた私は「なんだホンダは、評論家のセンセイ方と違ってフィットが売れない理由を(少なくとも一部は)ちゃんと分かってたんじゃないか」と少し驚いた。
実は私は、1年ちょっと前に自動車を買うべく情報を集め、フィットも真面目に検討したが、上の2つやそれ以外の装備で他車と歴然とした差があったので、書類選考の段階で落ちた経緯があったのだ。今さら装備されても手遅れだが、それでも「今、選ぶとしたら、フィットは残るだろうか」と妄想してみる程度には私の心に刺さる変更である。(なお、その時私が比較の対象としたのはヤリスではなくてアクアであったが、同じプラットフォームを使って装備も価格帯も近いので大きな違いはないだろう)
せっかくなので、当時(一部は今も)、他車にあってフィットに足りないものがなにかを列挙してみよう。
・マルチビューカメラシステム
他社で言うところのアラウンドビューやパノラミックビューであり、周囲を自車の真上から見たように表示して駐車を楽にする機能。マイナーチェンジ前でも、メーカーオプションのナビを諦めて、ディーラーオプションのナビと追加のパックを買うと、リアカメラに映る範囲だけ上から見たような表示にできるが、これで他車と互角とはとても言えまい。
・ブラインドスポットインフォメーション
他社でいうところのブラインドスポットモニターであり、斜め後ろを監視するレーダーを取り付けて、走行中の車線変更時に他車の存在を警告したり、バックで駐車場から出る時に後ろを通過する車の存在を警告する。
「ホンダ車は視界がいいからそんなもの要らない」なんて言う人もいるが、他社や、ホンダでもフィットより上位の車種では普通についてるのだから、要らないという意見に説得力はない。(本当に要らないものなら付けてる理由を説明しろ)
・オートクルーズ中の65km/h以下でのステアリング支援
・ブラインドコーナーモニター(DOP)、側方モニタ
これらも「要らない」という人がいる一方で、「無いと困る」と言う人もいる。私には非常にありがたい。フィットの対象とする購買層でも同じ意見が多いだろうと思う。
ここら辺はカタログですぐにわかる範囲。調べるとさらに次のことがわかる。
・オートクルーズに使うセンサーが単眼カメラのみ
他社やホンダ他車種(下位車種も含めて)は単眼カメラ+ミリ波レーダーか、ステレオ(2眼)カメラなので、フィットは簡略化されている。
これも「それで十分だ」と言う人がいるだろうが、本当に十分ならなぜ他車種や他社は違う方式なのか。単眼カメラはお値段なりのものでしかないのだろう?
・4WDがビスカスカップリング方式
ビスカスカップリングは4WDを実現する上で最も簡素な方式。「それで十分だ」と言う人もいるだろうが(以下、同じ)
以上のようなフィットの劣るところが、カタログやインターネットで調べるとすぐにわかる。
それを「カタログで比べたら互角にしか見えない!」って、記事を書いてる評論家センセイ、本気?
いや多分、評論家センセイもわかってて言ったんだと思うな。というのは、ホンダ社内にフィットの欠点をあからさまに言ってはいけない圧力とか雰囲気とかがあるような気がしてならないからだ。前述のマイナーチェンジの発表でも「RSグレードの追加」なんてどーでもいいことを前面に出して、私の心に刺さった安全支援関係の機能強化については小さな扱いで、おかげでその変更があったことに気がついたのはずいぶん後だった。
ホンダはフィットの弱点を分かっていて修正してきたが、なぜかそれをあまり大声では宣伝していない。
それをやると(弱点だったと認めると)「メンツを潰された」と騒ぐお偉いさんでもいるのだろうか。
« 無題 | トップページ | 無停電電源にパルス充電 »
「趣味」カテゴリの記事
- グリーンふるさとライン経由地の座標(2025.10.01)
- フォグランプの効果、必要性(実写編)(2024.12.03)
- フォグランプの効果、必要性(2024.09.01)
- ポータブル電源+車載空気ポンプも鬼門だった(2023.10.16)
- タイヤの空気抜き工具(2023.10.14)
コメント
« 無題 | トップページ | 無停電電源にパルス充電 »


ある方に助言を受けて、さらにしっくりくる解釈を思いつきました。
それによると、フィットは確かにN-BOXと競合しています。ただし買い手の目線ではなく、売り手の目線で、という話。
フィットが売れない理由としてよく挙げられる「N-BOXとの競合」説、「それが本当だったら、フィットだけでなく他社を含めたコンパクトカー全体が売れないだろう」と思うのはメーカーを選べる、買う側の目線。これがホンダからしてみると違ってくる。
少ない経営資源をどこに割り当てるか考えると、フィットに力を入れてコンパクトカー市場でトヨタや日産とガチンコ勝負をしても消耗戦になる。それなら軽自動車でスズキやダイハツとやりあったほうが分が良い。「利益率が低い軽で大丈夫か?」との考えもあるけど、やってみたら大勝利。一層、軽に力を入れるようになった。
「それならいっそフィットをやめたら?」という考えもあるけど、ラインナップに穴が開くのも害がある。コンパクトカー目当てのお客が来ても、それより上位または下位の車種に誘導できれば儲けになるけど、ラインナップに無ければそれらのお客に来てもらえない。
ラインナップには残すけど赤字を出すわけにいかないから、徹底したコストカットをして装備も削るし、あんまり売れないなら様子を見てちょっとだけテコ入れする(22/10のマイナーチェンジとか)。でもトヨタ、日産と張り合って売って行く気はない。
これがN-BOXに負けたフィットの立ち位置でしょう。
評論家センセイも、潜在顧客である読者の前で「ホンダはフィットを売る気がないんだよ」とは言えず、「N-BOXと競合してるんだよ(ホンダの社内的に)」とだけ言って、「ふーん、N-BOXと競合してるのか(コンパクトカーが)」と勘違いされてもあえて口を挟まないのでしょう。
投稿: 赤カブのケン(家主) | 2023年11月 6日 (月) 13時19分
ホンダ、EVの新シリーズHonda 0発表。
「Honda 0シリーズの名称には、原点、出発点のゼロ、ゼロから創った価値で人の心を動かす等の意味が込められている。」
ああ、大失敗のHONDA e: は無かったことにされちゃったのね。触れちゃいけない黒歴史?
傍観者はそれでいいけど、買っちゃった人はかわいそうだね。なんか、ホンダには買ってはいけない車種が多いような。そこらへん、ズバッと言ってくれる評論家センセイはいないものか。
投稿: 赤カブのケン(家主) | 2024年1月14日 (日) 11時23分
閑話休題。
フィットも登場から4,5年目になって、フルモデルチェンジの話がちらほら聞かれるようになりました。24年の夏頃から色々予想が出てたらしいけど、私は気にしてなくて、25年になってYouTubeでとある動画を見て初めて知りました。それで、その内容が(後で知った)大方の予想の逆で車体が小さくなる方向で、でも私はその時点でこれ以外の情報がなかったので「ああ、そうか。小さくなるのね。それなら欲しいかも、売れるかも」と思っちゃいました。
具体的には、車高が140cm台で、これなら4WDとかハイブリッドの電池を積んだグレードでも155cm以下になって駐車場の制限がきつい人も買えるなとか、エンジンが1.5→1.0Lに小さくなってノートやアクアより下の車格になって真っ向勝負を避けられるとか、値段もそれなりになるとか、そう言った内容です。これならいいかも。
ホンダの社内的に問題となるのは、N-BOXに近くなってかぶることですが、ストロングハイブリッドを載せられるとか、横幅が広がることで衝突安全性能が上がるとか、高速道路での余裕とか、5人乗れるとかで、同じと見る人はいないんじゃないですか? とりあえずうちでは、駐車場の高さ制限でN-BOXは不可ですし。
投稿: 赤カブのケン(家主) | 2025年1月12日 (日) 12時09分
縁あって、現行型(2020型)フィットを1週間ほど乗りました。それで思ったところをいくつかメモしておきます。
まずは、やっぱり装備がチープ。
次にクルーズコントロールが頼りない。
その他、ドアミラーの視界が狭いとか、ドアミラーを畳んでも車体の側面から大きくはみ出ているとか、意外に燃費が悪いとか、細かいのが色々ありましたが、今回は上の2点について。
装備がチープなのは、車がレンタカーで最低グレードであったためであり、上位グレードにはオプションで付けられたり、標準装備だったりする装備もあると思います。でも、これらの装備が無いとこんなに不便だったのか、と気が付かせられたのは収穫です。
例えば
・ドアミラーがオートでない。
車を降りる時、エンジンを切る前に毎回手動で畳まなければなりません。
・エアコンがオートでない。
自分で細かく操作するのがこんなに面倒とは思いませんでした。
・ワイパーがオートでない。
・オートで下がる窓は運転席だけ。
・ブラインドコーナーモニターがない。
交差点で頭を出す時、いつも以上に慎重になります。
・バックモニターのガイド線がステアリング連動でない。
固定のガイド線も、かなりいい加減で当てになりません。
クルーズコントロールが頼りないのは、スバルのアイサイト ツーリングアシストとの比較です。
まず、普通に追従走行してるだけでも加速、減速を頻繁にします。見ていると前走車の認識が甘い感じで、前走車に近づいたり離れた時の反応が相当にタイムラグがあり、そのため急加速、急減速になりがちです。
また、LKAS(車線維持支援システム)の白線認識能力が低く、少しかすれているだけですぐに認識しなくなります。また、渋滞で前走車との距離がつまると、かすれ具合に関係なく認識しません。もうひとつ、走行中に認識できず、追従できなくなってもなにも警告がありません。いつのまにか制御が止まってるのでは頼りになりません。
これらは昼間の晴天時の話であり、雨が降ったり、夜だったり、カーブが多かった時にどうなるか、大変不安です。
投稿: 赤カブのケン(家主) | 2025年8月 4日 (月) 10時08分