LED電球が使えない天井灯に振り回された話
タイトルがすでにネタバレなのだけれど、「LED電球が壊れた!?」と思ったら実は天井灯(シーリングライト)が原因であり、かつそれが単純な故障ではないと分かるまでに紆余曲折した話。
○発端
○発端
天井灯のLED電球が急に消え、5分後にまた点き、さらに5分後にまた消えた。
LED電球に耳を近づけると、点いている間は「ジー」と音がする。
全く不思議だがこんな現象が起きた。LED電球は2年前に買って1日1〜2時間しか使ってないので総計で2000時間は経ってないはずであり、一般的なLED電球の寿命4万時間には遠く及ばない。
LED電球に耳を近づけると、点いている間は「ジー」と音がする。
全く不思議だがこんな現象が起きた。LED電球は2年前に買って1日1〜2時間しか使ってないので総計で2000時間は経ってないはずであり、一般的なLED電球の寿命4万時間には遠く及ばない。
天井灯は6灯式でE17のソケットが6つ付いており、そのうち5つのソケットには元から付いていた電球型蛍光灯をそのままつけ、残り1つのソケットをLED電球に交換した。異常なのはLED電球だけであり、電球型蛍光灯は問題なく点いている。だから最初は当然LED電球を疑った。
○問題切り分けのための実験その1
○問題切り分けのための実験その1
問題の天井灯のソケットに付ける電球の組み合わせを変えてみた。
・LED電球のみ刺し、他のソケットは空。
→「ジー」と言う音がものすごく、見ている間に不規則に点滅する。
・LED電球と電球型蛍光灯4つを刺し、残りひとつのソケットに白熱電球を刺してみた。
→音はせず、点滅もない。
○問題切り分けのための実験その2
・LED電球のみ刺し、他のソケットは空。
→「ジー」と言う音がものすごく、見ている間に不規則に点滅する。
・LED電球と電球型蛍光灯4つを刺し、残りひとつのソケットに白熱電球を刺してみた。
→音はせず、点滅もない。
○問題切り分けのための実験その2
LED電球を別の天井灯やソケットに刺してみたところ、正常に点灯し、音もしない。
よく分からないが、LED電球は異常ではなく、天井灯に刺すものによって挙動が違う事から、天井灯の異常を疑ってみた。天井灯はリモコンで点灯を制御するものなので、多少は壊れるところがある。
よく分からないが、LED電球は異常ではなく、天井灯に刺すものによって挙動が違う事から、天井灯の異常を疑ってみた。天井灯はリモコンで点灯を制御するものなので、多少は壊れるところがある。
分解してみると、電球の点灯をトライアックでON/OFFしている事が分かり、嫌な予感がした。トライアックは調光器によく使われ、LED電球や電球型蛍光灯は普通は調光器で使えないからだ。
○予備知識
○予備知識
トライアックは商用100Vの電源を直接ON/OFFできる半導体で、電圧が掛かっている間にゲートに電流を流すとトライアックが導通して電気が流れる(電灯が点く)。しかし交流電圧が50/60Hzで変化して0Vに近くなり、流れる電流が保持電流を下回ると、トライアックはそこでプツッと切れて電流を遮断する。その後また電圧が掛かってきたところでゲートに電流を流すと導通する。トライアックはこういう動作を50/60Hzで繰り返しているわけだが、交流正弦波の電圧が0V近辺になると電流をプツッと遮断してしまうので、流れる電流は正弦波の山裾を切り取って崖にしたような形になる。この不連続な波形は高調波を含んでいて、それが50/60Hzで発生するので「ジー」という音の原因になりうる。
○調査、推理
トライアックの型番(BTA12-600C)から仕様を調べると、このトライアックの保持電流は50mAらしい。電圧は100Vなので大雑把に言うと5W程度の負荷だと保持電流を上回る事がないので電流はまったく流れない。調光器の場合、最大負荷の他に最小負荷という物もあるが、今回は(調光器でないけれど)5Wがそれに当たるのだろう。それ以上の負荷であっても5Wに近ければ電流の波形は正弦波からかけ離れたものになり、LED電球や電球型蛍光灯が内蔵しているスイッチング電源に悪い影響がある(だから調光器には調光器対応のLED電球や電球型蛍光灯が要る。)。
○調査、推理
トライアックの型番(BTA12-600C)から仕様を調べると、このトライアックの保持電流は50mAらしい。電圧は100Vなので大雑把に言うと5W程度の負荷だと保持電流を上回る事がないので電流はまったく流れない。調光器の場合、最大負荷の他に最小負荷という物もあるが、今回は(調光器でないけれど)5Wがそれに当たるのだろう。それ以上の負荷であっても5Wに近ければ電流の波形は正弦波からかけ離れたものになり、LED電球や電球型蛍光灯が内蔵しているスイッチング電源に悪い影響がある(だから調光器には調光器対応のLED電球や電球型蛍光灯が要る。)。
今回使用してるLED電球の消費電力は5.4Wであり、先の実験でLED電球を単独で使った場合に正常に点灯しなかったことはこれで説明がつく。また、白熱電球(60W)と一緒に使った場合は、十分な電流が流れて電流の波形は正弦波に近くなるので、LED電球の音がしなくなり正常に点灯したことも説明がつく。
以上から、今回の現象は天井灯にトライアックが使われている事が原因のようだ。
しかしLED電球が使えないのは、製品の仕様としてどうなのだろう。天井灯の取説を改めて読むと、使用する電球型蛍光灯の型番を指定して、それのみを使うように言っていた。なんてこった、LED電球は最初から対象外なのだ。また、電球型蛍光灯の型番まで指定しているのは、消費電力の固定と、その際でも多少残っている正弦波波形からのズレに耐えられる事を保証するためなのだろう。
いやはや、なんてえり好みの激しい製品だ。
○今後の対策
LED電球が使えない事は分かったが、この天井灯と付き合っていくにはいろいろ考えなければならない事が多そうだ。
元々、この天井灯にLED電球を追加した理由は、電球型蛍光灯だけでは明るくなるのが遅く、ちょっと物を取りに部屋に入ったような時に不便だから、すぐに明るくなる電球を混ぜたのだ。この目的のためには、仕方ないので代わりに白熱電球を混ぜて使うことにする。
以上から、今回の現象は天井灯にトライアックが使われている事が原因のようだ。
しかしLED電球が使えないのは、製品の仕様としてどうなのだろう。天井灯の取説を改めて読むと、使用する電球型蛍光灯の型番を指定して、それのみを使うように言っていた。なんてこった、LED電球は最初から対象外なのだ。また、電球型蛍光灯の型番まで指定しているのは、消費電力の固定と、その際でも多少残っている正弦波波形からのズレに耐えられる事を保証するためなのだろう。
いやはや、なんてえり好みの激しい製品だ。
○今後の対策
LED電球が使えない事は分かったが、この天井灯と付き合っていくにはいろいろ考えなければならない事が多そうだ。
元々、この天井灯にLED電球を追加した理由は、電球型蛍光灯だけでは明るくなるのが遅く、ちょっと物を取りに部屋に入ったような時に不便だから、すぐに明るくなる電球を混ぜたのだ。この目的のためには、仕方ないので代わりに白熱電球を混ぜて使うことにする。
また、電球型蛍光灯が寿命になって、同型番が入手できない時はどうするか。白熱電球が混ざっていれば他の電球型蛍光灯やLED電球であっても大丈夫だと思うが、白熱電球もそのうち入手できなくなるだろう。それに備えるには、調光器対応の電球型蛍光灯にするしかない。LED電球ではいずれにしろ 負荷が低すぎるのでトライアック入り天井灯には使うべきではないな。
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