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2014年5月29日 (木)

NHK技研公開2014に行ってきた

NHK技研公開2014に行ってきた。
目的は3Dディスプレイ。
眼鏡をかける3Dディスプレイは無く、裸眼立体視であるホログラムとインテグラル立体表示の2つがあった。
ホログラムの方は、新しい表示素子が出来たというので期待していたが、その素子で表示するデモはなくて、普通のフィルムに焼き付けた静止画のホログラム(リップマン型?)が展示してあった。
ちなみにホログラム素子は、平面の上に干渉縞を表示させ、そこにレーザーを当てるとホログラムが浮かび上がるというもの。それだけだと「液晶ディスプレイでも良いじゃん」となりそうだが、ホログラムを表示するには画素密度がずっと高くなくてはならなず、新素子では多画素化に有利なアクティブマトリクス式を実現したと言う。なお、表示する干渉縞を変えれば当然ホログラムも変わるので、それで動画が表示できる。それが見たかったのに。
 
もうひとつのインテグラル立体表示は、液晶ディスプレイの上にマイクロレンズアレイを載せて表示するもの。液晶の画素數十〜数百個につきマイクロレンズが1個付き、実質的な画素数はマイクロレンズの数になる。
つまり、そのままやると現行のディスプレイの数百分の一の解像度になってしまう。デモでは、できるかぎり見栄えを良くするために4K解像度のディスプレイを4つつなげていた。
面白いのは、撮影にも工夫があった事。素直に考えると撮影の際にもマイクロレンズアレイを使えば良いのだが、それでは超高解像度撮像素子が必要になったり、視野角や機材の大きさ的にいろいろ不都合がある。そこで、撮影の際には被写体をリアルタイムに3D数値モデル化して、それを後からマイクロレンズの数だけの別の視点から見た絵をレンダリングして、合成するとインテグラル立体表示に適した絵が出来上がるという仕組みである。
これは、先ほどのホログラム表示でも必要になるかもしれない。なにしろ、ホログラム撮影のために被写体にレーザーを当てっぱなしにはできないだろうから。3Dモデルがあって時間の制約が無ければ、そこから干渉縞を計算で求めることは今でもできる。
 
さてここまでNHK技研の展示のうち自分の興味のあることだけ紹介してきたがNHK技研の方で一番力を入れていたのは8Kであり、展示の半分くらいが8K関係であった。しかし今後どうなるのだろう。
以前、私は4Kでも否定的なことを書いたが、それは放送で電波の周波数帯域を占有してしまう場合のことで有り、純技術的には反感も期待もない。むしろ、前述のインテグラル立体表示のように、人間の視覚以上に高い解像度が必要になる用途があることは理解している。
だが、多くの消費者にとってはやはり4Kも8Kもどうでもいいことだろう。テレビを買う時に「4Kだから」と製品を選ぶ人がどれだけいるか。
そういう意味で4K、8Kの開発はシーズ先行であり、ニーズとは無関係のものだ。そして、そういうやり方で日本のメーカー近年何度も失敗を重ねているのが気がかりだ。
 
そういえば、NHK技研の展示ではハイブリッドキャストというのもあった。放送、通信の融合だそうで、要するに双方向通信で番組を面白くしましょう、という趣旨だが、私にはニーズを無視して失敗した前例が思い出されてならない。
それはデータ放送のことである。リモコンのデータボタンを押すと、天気予報とかニュースがWebブラウザみたいに見られるあれだが、使っている人はどけれだけいるだろう。私も全然使わないわけではないが、それはパソコンをつけるのが面倒な時だけで、パソコンがついていればデータ放送など使わない。最近はiPadを手に入れたので、データ放送の出番はすっかり無くなった。
こういうことを言うと関係者は「パソコンを持ってない人だって大勢いるじゃないか」と反論する。しかし、パソコンを持ってないじーちゃん、ばーちゃんにあのユーザーインターフェースが使えるだろうか?無理だ。いろんなパソコン、OS、IT機器を使ってきて、普通の人より間口が広いはずの私でも、データ放送のあのユーザーインターフェースを肯定するのは無理だし、あの反応の遅さには腹わたが煮えくり返る。
おそらくデータ放送の仕様を決める時、ユーザー像(ITスキルがどれくらいか、どんな場面で使うか)があいまいなまま、そのユーザーを満足させるのにどんな性能やコンテンツが要るかなどを分析してこなかったのだろう。
こんな具合に、データ放送は使う人のことを考えずに作られた、お仕着せの機能の失敗例であり、ハイブリッドキャストはもちろん、4K、8Kもそうなる可能性が多分にある。

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