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2012年8月28日 (火)

サムスンの「3G通信に必須の特許」について

アップルとサムスンの特許訴訟が話題になっている。
この中で、サムスンの「3G通信に必須の特許」をアップルが侵害しているという訴えがよく分からなかったので、オランダの訴訟の記録を見てみた。
結果、アップルはとばっちりを食った被害者ということのようだ。

***

普通に考えるとサムスンの特許は半導体チップの形で実現され、侵害するとしてもアップルではなく、半導体メーカーである。実際、サムスンの特許にひっかかるのは、iPhone/iPadに使ったインテル製のUMTS用ベースバンドチップであり、本来ならサムスンとインテルの間の争いだ。しかし特許訴訟では過去にも、直接の侵害者ではなくて、その利用者を訴える例があるので、アップルを訴えてもそれほど意外なことではない。
これがサムスンの言い分である。

次にサムスンの落ち度である。
UMTSは3G通信の一種でヨーロッパの規格団体で策定された。本来なら、関連特許を持っている企業は規格策定中に申告し、関連企業の間で特許ポートフォリオを作って特許使用料の徴収を一本化するのだが、サムスンは義務に反してすぐに申告しなかった。
今現在、サムスンがポートフォリオの一員になっているか分からないが、サムスンの特許の存在が明らかになる前の期間の使用料が問題になっているらしい。
また別の話だが、サムスンとインテルの間には、インテルがサムスンの特許を特許料なしで使う合意(協定?)があるそうで、そうなるとそもそも特許料徴収の根拠が無い。(裁判でこの証拠がどう扱われたのか不明)

サムスンは憎きアップルに一矢報いたくて必死だったのだろうが、アップルに落ち度が無い以上、狙い撃ちにするような差別的な徴収はFRAND条項に反するし、かといってUMTS利用全メーカーから徴収したら大事になるし、この後どう収めたら良いのか案外難しい状況に自分を追い込んでしまった。(裁判で損害賠償=特許使用料徴収が否定されるのが、サムスンにとっても実は一番良いことかもしれない)
さらにもし「サムスンは後出しじゃんけんで標準規格の特許を主張し、敵対企業の攻撃に利用する会社」と言われることになったら、この先、標準規格策定の場でつまはじきに会ってしまう。それはさらに深刻な事態だ。

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